グループホームは介護人材と施設の不足の状況から、フランチャイズビジネスとしての伸びしろがあります。
ここでは、専門家の声をもとに、グループホームのフランチャイズ今後の展望と、加盟店情報を紹介します。
株式会社アクアネット
フランチャイズ経営研究所
代表取締役社長 民谷 昌弘氏
大学卒業後(株)不二家、経営コンサルタント会社コンサルティング部長を経て現職。
FC本部のスタッフまた経営コンサルタントとして、FC業界に40年以上関わってきた。立ち上げ支援した本部は200社以上に上り、その多くが着実に成長している。直営店が数店という規模から1000店を超える規模にまで成長したチェーン、100億円以上の売上を実現している企業も多数生まれている。
グループホームのフランチャイズ加盟を検討している方にとっては、業界が今後伸びるのかどうかはまず気になるところです。将来性を見極めるために役立つのが、PEST分析というフレームワークを用いて市場を俯瞰すること。
政治(Politics)・経済(Economics)・社会(Society)・技術(Technology)の4つの視点からの影響を分析することで、業界を取り巻くマクロ的な外部環境の変化を把握できます。その結果、将来的なマーケットの傾向や見通しを立てることが可能。当サイトの編集チームが、2023年3月時点でのグループホーム業界を分析してみました。
(法律、政府・関連団体の動向、消費者保護、公正競争など)
2021年度介護報酬改定で、認知症グループホームのユニット数が「3以下」に緩和された。 これは経営の安定性確保が狙い。あわせて、サテライト型事業所の開設も認められるようになる。(※1)
●夜勤職員体制:2021年度介護報酬改定で、1ユニット1人夜勤の原則は維持しつつ、「3ユニットかつ各ユニットが同一階に隣接」などの条件を満たした場合、例外的に3ユニットに2人の配置を認める。(※2)
●個室施設型の定員緩和:2021年度介護報酬改定で、現行は概ね1ユニットあたり「10人以下」と規定されているが「原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないものとする」と基準を緩和する。(※3)
(景気、価格変動、貯蓄率、為替、金利など)
介護保険サービスにおける介護報酬は介護保険制度により決められており、事業所が独自に報酬額を決めることができない。法律によりサービス利用者あたりの職員の数も決められているため、人件費を削ることも困難。
企業努力だけでは中々介護事業所の収入を増やすことは難しいのが現状。
(宗教、価値観、倫理観・社会規範、世論、教育レベル、習俗習慣など)
最も多いのは有料老人ホームで、認知症の方を入居対象とする次に多いのがグループホーム。
グループホームの施設数が多いのは、1施設当たりの定員数が9~18名と、小規模な施設がほとんどだという点が関係している(※5)
グループホームの主な対象者である、18歳~64歳の在宅障がい者の数は2018年時点でおよそ365万人。それに対し、障がい者グループホームの数は2019年時点で8,643事業所、利用者数123,118人。需要に対し供給がまだまだ追いついておらず、入りたくても入れない状況が続く。(※6)(※7)
(技術革新、特許、生産・商品化技術、代替技術など)
介護現場は比較的、AIはもとよりデジタル技術が入り込みづらい業種である。
しかし、AIは情報取得や解析などに強いというメリットがあることから、介護業界でもこうした分野におけるAIの活躍が期待されている(※8)
介護業界の人手不足や社会保障費の増大が問題となっており、それらを解消するための方法としてAI導入が注目されている。ニーズに合った機器を導入できれば、介護職員だけでなく利用者やその家族にもメリットが期待できる。
現状ではコストや活用への不安といった課題点もあるが、国を上げて介護現場をAI化する取り組みが行われているため、今後は徐々に普及していく可能性が高い(※9)
※1参照元:厚生労働省令和3年度介護報酬改定の主な事項について【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf)
※2参照元:厚生労働省令和3年度介護報酬改定の主な事項について【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf)
※3参照元:厚生労働省令和3年度介護報酬改定の主な事項について【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf)
※4参照元:日本介護クラフトユニオン 2022年賃金実態調査報告書(https://nccu.meclib.jp/2022chinginchousa/book/#target/page_no=1)
※5参照元:13. 小規模多機能型居宅介護|厚生労働省(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/care_services_guide/care_services_guide_service13.html)
※6参照元:令和3年度版 障害者白書 障害者の状況|厚生労働省【PDF】(https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r03hakusho/zenbun/pdf/ref2.pdf)
※7参照元:令和元年社会福祉施設等調査の概況|厚生労働省【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/fukushi/19/dl/kekka-kihonhyou02.pdf)
※8参照元:ココファンHP(https://www.cocofump.co.jp/articles/kaigo/120/#7)
※9参照元:e介護転職HP(https://www.ekaigotenshoku.com/ekaigowith/2022/08/04/kaigo_ai/)
高齢化の波に加え、介護業界が直面している慢性的な人手不足が、地域密着が求められるグループホームの需要増に拍車をかけています。
供給が全く間に合っていないため、参入の余地は確かにありそうですが、ICT機器などを利用してどこまで業務を効率化できるか、人手不足をどこまで補えるかどうかがカギとなるでしょう。
マクロ分析にあるように、グループホーム事業は需要に供給が追い付いていない分野で介護サービス分野においても将来性の高いビジネスと言えます。規制緩和も進んでいることで、収益性確保が見込める可能性は増えてはおり、施設の稼働率を高く維持できれば高収益の事業となる可能性は高いでしょう。
現在全国的な大手フランチャイズチェーンは存在しておらず、フランチャイズ加盟については、参入したいエリア特性や運営に関しての標準化やシステム化が実現できているチェーンを選定することが成功のポイントとなるでしょう。
立ち上げ支援を中心としたチェーンやコンサルティング会社も多い業界ですが、公的資金を活用するビジネスであるため、そういった様々な情報を早期に入手して対応するためにも、継続的な支援が期待できるチェーンへの参画が事業継続の要です。
※民谷氏の監修範囲はここまで
(株)アクアネット
フランチャイズ経営研究所代表 民谷 昌弘 氏
上記はあくまで向いていると思われる人の一例です。
フランチャイズはどの業種でも共通して「本部のブランド力を活用できる」「商売のノウハウを提供してもらえる」などがメリットとして挙げられるため、どの業種でも成功しやすいのでは?と思われるかもしれません。
ただ、経営者あるいは事業主という立場になる以上、大前提として持っておくべき考えは「何のために開業したいのか?」です。
これは個人の性格や相性にも左右されるので、単に「儲かりそう」「伸びそう」という理由で加盟すると後悔する可能性があります。
目先の利益や展望だけでなく、その業種でビジネスを始める意味と目的を自分の中で確立させて参入すべき業界を決めることが大切です。
フランチャイズでの開業を検討している人に向けて行ったアンケート(※2022年1〜2月調査)では、「加盟検討において不安に感じること」として回答の半分以上を占めていたのが、「収入」「集客」の2項目でした。本部で確立されているノウハウやマニュアルを使用できると言っても、根本的な不安は中々消えないようです。
当サイトでは、公式HP上で収益モデルを公開しており、且つ集客サポートを行っている加盟店のみを掲載しています。以下に一覧としてまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
※アンケート参照元:フランチャイズWEBリポート(https://fc.dai.co.jp/articles/1222)
アンケート名称:「フランチャイズでの独立」に関する調査、調査主体:株式会社Dai、調査方法:ネットリサーチでのアンケート調査、
調査期間:2022年1月14日~2022年2月24日、調査対象:20代〜50代の男女2206名
ここでは、Google「グループホーム フランチャイズ」検索結果の中から、収益モデルを公開し公式HPに集客支援を行っていると記載がある加盟店の特徴や情報をまとめています。(2023年3月1日調査時点)
引用元:らくてぃ公式HP
(https://fctl.co.jp/lp/)
らくてぃは精神病院のベッド数削減と退院促進を目的とした、障がい者向けのグループホームです。経験と豊富な知識を持つスタッフが、福祉現場で活躍できる人材を見極めて採用からサポートしてくれます。そして開業までだけでなくその後の運営までサポートしてくれるので、未経験や異業種からの挑戦でも大きな不安を抱えることなく開業できます。
また、空き家再生のノウハウもあるので、テナントの内外装の工事費を大幅削減することによる初期費用の抑制が可能です。入居対象者や運営者も厳選して紹介してくれるため、グループホームの運用をスムーズに行えます。
会社名 | 会社名:株式会社フラクタル |
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本部所在地 | 東京都千代田区神田神保町2-10-2 |
電話番号 | 03-3512-0062 |
公式HP | https://fctl.co.jp/lp/ |
引用元:わおん公式HP
(https://anispi.co.jp/lp-waonbusiness2/)
わおんの障がい者グループホームでは、保護犬や保護猫を引き取る保護活動を実施しています。ただ保護をするだけでなく、グループホーム内で障がい者の方と一緒に過ごすことで、アニマルセラピーのような効果を期待できる事業を展開しています。
施設は空き家をリフォームして活用。グループホームを開業することで、動物の保護活動、障がい者福祉施設不足解消、空き家救済など、さまざまな社会貢献が可能となります。
また、ほとんどの利用者が日中、就労等の活動をグループホームの外でしています。そのため、夕食の提供や服薬管理のような夕方以降の支援が主な支援内容となります。
※4棟開設の場合
会社名 | 会社名:株式会社アニスピホールディングス |
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本部所在地 | 東京都千代田区九段南 3-1-1 久保寺ビル 3階 |
電話番号 | 記載なし |
公式HP | https://anispi.co.jp/lp-waonbusiness2/ |
引用元:エフ・シー・エー公式HP
(https://fca1.jp/franchise/)
エフ・シー・エーは名古屋市内を中心として、駅近で都心に近い好立地に障がい者グループホームを展開しています。賃貸物件リフォームの施設なので、新築の1/5以下の費用での開設が可能です。数多くのリフォームを行っているため、工事内容がよくわからなくてもサポートしてくれます。
グループホームは個室で過ごせる住まいを提供しており、6~10畳という広々過ごせる空間です。
また、開所当初に必要があれば、エフ・シー・エーのスタッフに応援スタッフとして現場でお手伝いをしてもらえます。その多くが介護の資格を持ち、強度行動障害や移動支援の講習を受講しており心強い存在です。
会社名 | 会社名:株式会社エフ・シー・エー |
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本部所在地 | 愛知県名古屋市中区新栄二丁目5番1号 泉屋ビル1・2・3階 |
電話番号 | 052-228-2371 |
公式HP | https://fca1.jp/franchise/ |
加盟店の情報以外にも、そもそもグループホームフランチャイズの特徴や実態について知りたい方もいるはず。以下にトピックとしてまとめたので、参考にしてみてください。
失敗する理由とその体験談、失敗を防ぐためにできる対策についてまとめています。
グループホームフランチャイズのいくつかのメリットとデメリット、向いている人の特徴についてまとめています。
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ビジネスモデルの基本を踏まえたうえで、グループホームフランチャイズで見込める年収や事例などを紹介しています。
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未経験でもグループホームフランチャイズで開業できるかについて、仕事内容や開業する際の注意点などを紹介します。
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グループホーム事業のフランチャイズ加盟時に、加盟料やロイヤリティがどのくらいかかるのかについて紹介しています。