フランチャイズを開業するにあたって一番気になるのは、やはり必要となる資金。ここでは用意しておきたい自己資金の相場や開業資金との違い、また利用できる3つの資金調達法について詳述します。
フランチャイズの中には加盟店募集時に「開業資金〇万円以下!」などとしているところもありますが、実際のところどれくらいの自己資金を用意しておく必要があるかは気になるところ。実際にフランチャイズ経営を始めた人たちへのアンケートによると、自己資金額として多かったのは「300万円~500万円」で、全体の23.7%ということでした。また「0円」は16.5%、「100万円未満」と答えた人も15.5%いたことから、多くの場合500万円以下の自己資金で開業できることが伺えます。
とは言え自己資金だけで開業できるかどうかは別問題。同アンケートによると実際に開業にかかった金額で多かったのは25.8%の「100万円未満」、次に多かったのが23.7%の「300万~500万円」とのことですから、自己資金で開業できた人が約半数を占めていることが分かります。
「自己資金」とは開業時に持っている元手資金のことで、オーナー自身の銀行預金や有価証券などの金融資産、土地や車などの自己資産を売却して得たお金、親からの融資など返済の必要がない資金援助、また「資本金」と呼ばれる株主からの出資などがそれに含まれます。
一方「開業資金」とはフランチャイズの場合加盟金や保証金、また物件取得費、設備費といった開業にあたって必要となる資金のこと。自己資金の中から開業資金を調達することもできますが、足りない場合や今後の生活を考えて全てを開業資金に充てず融資制度などを利用する方法もあります。
銀行から融資を受けるというのは、資金調達においてメジャーな方法でしょう。銀行融資には信用保証協会が保証人になってくれる「信用保証付き融資」と、保証人がなく銀行がリスクを負うことになる「プロパー融資」とがあります。
前者の方は審査が通りやすい代わりに毎年信用保証協会に保証料を支払う必要があり、後者の方は保証料の支払いが発生しない代わりに審査基準が厳しくなるという違いがありますが、いずれにしても日本政策金融公庫より審査は厳しく金利も高めになるでしょう。ただしフランチャイズの場合信用を得やすく、かつプロパー融資に関しては金額に上限がないというメリットがあります。
日本政策金融公庫とは国が100%出資している政策金融機関のことで、民間金融機関で融資を受けることのできない個人事業種や中小企業経営者の開業資金を、融資の形で援助します。
フランチャイズ開業の際に利用されるものとしては、最大3000万円の融資を受けることができる「新創業融資制度※1」と、最大7200万円の融資を受けることができる「新規開業資金※2」の2つ。いずれも年利1~2%という低金利で無担保、無保証人でも利用可、長期返済も可能という点がメリットです。
助成金は厚生労働省が、補助金は経済産業省が管轄する資金援助制度のことで、原則返済不要、そのうえ政府や自治体が認めた優良企業ということで社会的な信用が付くというメリットもあります。
助成金には「地域雇用開発助成金※3(50万円×最大3回)や「トライアル雇用奨励金※4(~5万円×最大3回)」、補助金には「創業・事業継承補助金※5(50万~200万円)」や「小規模事業者持続化補助金※6(最大50万円)」といったものがあり、条件を満たしていたり審査に合格したりすれば、援助を受けることができます。