フランチャイズ選びの重要ポイントの1つと言われる、「ロイヤリティ」。ここではロイヤリティの意味やロイヤルティとの違い、またフランチャイズにおけるロイヤリティの種類と相場についても説明します。
フランチャイズ加盟に際して必ず確認しておくべき項目の1つが「ロイヤリティ」ですが、もともと「ロイヤリティ」は英語で「王族」や「君主」、またそれらの特権階級が持つ「気高さ」を意味する「Royalty」を語源としています。とは言えフランチャイズを含めビジネスシーンではそのような意味で使われることはなく、特定の権利を持つ人や法人などに対し、その権利を利用する利用者が「利用料」として支払う対価のことを指します。
「特定の権利」とは、特許権や商標権、著作権などの知的財産のこと。フランチャイズの場合、フランチャイザーが持つブランド力や経営ノウハウなどを加盟店が利用する際に、その利用料として支払う対価のことを指して「ロイヤリティ」と呼びます。
「ロイヤリティ」と似た言葉に「ロイヤルティ」がありますが、これはビジネスにおいては全く異なる意味を持っています。「ロイヤルティ」は英語で「Loyalty」、「忠誠心」や「愛着」と言う意味の言葉で、ビジネスシーンにおいては企業やブランド、そのサービスや商品に対する愛着や信頼、忠誠心のことを指します。
例えば「顧客ロイヤルティ」とは顧客、ユーザーが持つ商品やブランドに対する愛着や信頼のこと、「従業員ロイヤルティ」とはその企業に勤める従業員が持つ自社への忠誠心や愛着、誠実さのこと。また顧客ロイヤルティを高めることで安定した売上増加が見込めるため、そのような顧客を増やすためのマーケティングのことを「ロイヤルティマーケティング」と言います。
フランチャイズの多くが採用している一般的なロイヤリティ方式が、「売上歩合方式」。これは売上に対して一定の割合をかけた金額を本部に支払う方法で、このため売上が上がればロイヤリティも高くなるのですが、加盟店のモチベーションを上げる目的で、売上が一定額以上になればロイヤリティの比率が小さくなるというシステムを採用しているところもあります。
売上歩合方式が売上そのものにロイヤリティ割合をかけるのに対し、売上から仕入れにかかった費用を差し引いた粗利益にロイヤリティ割合をかけるという方式が、「粗利分配方式」です。この方法は仕入れにある程度費用がかかる業種、主にコンビニフランチャイズで採用されている方式で、こちらも利益が上がれば上がるほど本部に支払うロイヤリティも高くなります。
「定額方式」とは売上や粗利益に関係なく、毎月決まった金額を本部に支払う方式で、ロイヤリティが変動しないため資産管理しやすいのがメリットです。売上が上がれば上がる分だけ加盟店の利益が上がるのもメリットですが、一方で売上が落ち込んでも同じ金額が請求されるため、ロイヤリティが大きな負担になってしまうことがあるのがデメリットです。
ロイヤリティの相場と言っても、その種類、また業種や各企業によっても割合や金額は異なります。とは言え一般的な売上歩合方式の場合で、ロイヤリティ割合は3~10%。特に人件費や原価率の高い飲食店は低めに設定されており、逆に原価率の低い学習塾などは高めに設定されていることが殆どです。
一方コンビニも同じく人件費や原価率が高くなるものの、その分を差し引いた粗利分配方式で計算されるため、ロイヤリティも30~60%と高めに設定されています。また定額方式は買取や通信業、不動産業で採用されることが多く、買取業の場合は5万円前後、通信業の場合は5~10万円、不動産業の場合は10~25万円程度が相場となっています。